ぼーる通信最新号


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    ぼーる通信 〜Voice From The Dreamfield〜

    日本プロ野球史:東京ヤクルトスワローズ(1)

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    ☆ お品書き

    ●Team Chronicles
     〜The History of Nippon Professional Baseball Teams〜

     Series 3:東京ヤクルトスワローズ 第1回
               by アトムフライヤー


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      読者のみなさま、今回からはいよいよ、東京ヤクルトスワローズシリーズをお
    届けします。

     スワローズのシリーズは、このプロ野球史のシリーズ最長編となります。
     といいますのも、チームの創設自体は戦後ですが、そのルーツは国鉄野球の流
    れを汲んでおり、国鉄野球は日本の社会人野球の歴史でもあるからです。

     日本の社会人野球は過去、日本野球の発展のために大きく貢献しているのです
    が、そのことに対する理解がまだまだ日本ではありませんので、そのルーツと熱
    狂をも明らかにしていきたいと思います。

     ぼーる通信 編集長 Thomas Gwynn Mountainbook


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     【第1回】

     読者のみなさんこんばんは。日本プロ野球史シリーズにおいて取り上げる3つ
    目のチームは、東京ヤクルトスワローズです。
     このチームは、野村監督就任後は全国的に知名度が上がり、1990年代は人
    気チームになりましたが、それまではセ・リーグの中でも話題性に乏しいチーム
    でした。
     しかしこのチームには、現在の日本プロフェッショナル野球機構に属するチー
    ムとして最古の歴史を誇る読売ジャイアンツと同等か、それ以上のオリジナリテ
    ィがあります。というのも、スワローズは、高校野球、大学野球とならぶ日本の
    アマチュア野球の中核である社会人野球の、もっとも深い流れを汲んでいるから
    です。
     そこでこの東京ヤクルトスワローズのシリーズでは、日本の社会人チームのモ
    デルとなった全国の鉄道局野球チームの誕生、国鉄野球大会の開催、そこから発
    展した都市対抗野球大会の誕生、その中核を担った鉄道局野球チームの隆盛、戦
    後鉄道局の選手を中心としてスワローズが誕生した経緯、長い低迷時代、そして、
    その初優勝から野村スワローズ、若松スワローズより現在に至るまでの経緯につ
    いて見て行きましょう。

     日本の野球の起源は、1873年に開成校(現・東京大学)にてアメリカ人教師の
    ウィルソンとマジェットの2人が学生たちに教えたのが最初とされており、これ
    が大学野球→高校野球の学生野球へとつながるルーツとされていますが、一方で
    1877年、アメリカ留学から帰ってきた鉄道技師の平岡煕(ひろし)が新橋鉄道局
    の職員を集めてつくった新橋クラブ(チーム名はアスレチックス)が、日本初の
    野球チームにして社会人野球の元祖チームとなります。
     これが、スワローズの大先祖ともいえる野球チーム。つまりスワローズは、日
    本初の野球チームの流れを汲む、ある意味ではもっとも歴史のあるチームといえ
    るのです。
     したがってスワローズは日本プロ野球界における、メジャーリーグの中でも最
    古のチーム、*1アトランタ・ブレーブスのような存在といえます。

    *1 アトランタ・ブレーブス
    アメリカ球史における最初のプロフェッショナルチームは1869年のシンシナティ・
    レッドストッキングスとされているが、このレッドストッキングスはその後ボス
    トンに移り、ボストン・ビーニーターズ→ドブス→ブレーブス→ビーズ→ブレー
    ブスとなり、1953年にはミルウォーキー、1966年にはアトランタに移転して、現
    在に至っている。

     その後新橋クラブは、平岡自身が渋沢栄一とともに汽車製造の平岡工場を創設
    することによって新橋鉄道局を辞めたため、明治20(1887)年ごろ解散しますが、
    それから20年たってから、日本全国で鉄道局チームが結成されはじめます。
     これらを順に追っていくと、

    明治42(1909)年4月:札幌鉄道管理局
    大正4(1915)年4月:秋田鉄道管理局
    大正7(1918)年4月:門司鉄道管理局
    大正8(1919)年10月:仙台鉄道管理局、鹿児島鉄道管理局
    大正10(1921)年4月:東京鉄道管理局
            10月:名古屋鉄道管理局
    大正11(1922)年:本省鉄道管理局
    大正12(1923)年4月:千葉鉄道管理局、大分鉄道管理局
    大正14(1925)年4月:大阪鉄道管理局

     となり、これに加え、1918年あるいは1919年のどちらかに、神戸鉄道管理局が
    チームをつくっています。

     そもそも鉄道局チームが結成されだした背景には、開成校→第一高等学校から、
    早稲田・慶應義塾といった高等学校(2008年現在でいう大学)のスター選手たち
    が官製企業や有名民間企業に就職し、大学卒業後に野球を続ける場としてチーム
    を創設する動きがありました。当時は第1時世界大戦前後ということもあって、
    日本経済は好況を呈していたこともあり、会社の財政的余裕が、各社のチーム結
    成の動きを後押ししたのです。
     無論この時期には、1920年に創設された*2日本初のプロ野球チーム、日本運動
    協会や、続く2番目のチーム、天勝野球団(1921)の存在もあったのですが、こ
    れらは稀なケースで、大学でスタープレイヤーとなり、全国的に有名になった選
    手たちは、将来を嘱望されたエリートたちであったこともあり、当時の日本経済
    をリードしていた企業に就職した上で、その野球選手としての活躍の場を求めた
    のです。
     その最先端を走っていたのが、鉄道省の一部門、国有鉄道でした。

    *2 日本初のプロ野球チーム
    大日本東京軍こと東京読売巨人軍が日本初のプロ野球チームという誤解が日本で
    は蔓延しているが、正確には、日本運動協会、天勝野球団、宝塚運動協会に続く
    4番目である。ただし、巨人は、巡業独立プロ野球チームとしては4番目でも、
    リーグ戦に参加したプロ野球球団という意味なら、日本球史初ということになる。

     大正10(1921)年10月、国有鉄道は開業50周年を迎えます。
     そして、その記念行事として行われたのが第1回全国鉄道局野球大会でした。
     参加したのは札幌、仙台、東京、大阪、神戸、門司の6チームで、門司鉄道局
    が優勝しました。

     国鉄野球大会は、大正期の日本球界をリードします。
     そして、この国鉄野球大会をモデルに都市対抗野球大会が創設されるのですが、
    その経緯は次回に回します。

    (アトムフライヤー)


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